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March 2024

司法外交閣僚フォーラムの成果展開~司法外交の更なる推進に向けて~

  • 「ウクライナ汚職対策タスクフォース」第1回会合(会期:2023年12月5日、6日)の様子
  • ウクライナの汚職対策機関の専門家による門山宏哲(かどやま・ひろあき)法務副大臣訪問の様子(右から三番目が門山副大臣。2023年12月6日)
  • 小泉龍司(こいずみ・りゅうじ)法務大臣によるビデオメッセージの様子(2023年12月5日ウクライナ汚職対策タスクフォース第一回会合)
  • ウクライナ汚職対策タスクフォース(Anti-Corruption Task Force for Ukraine 。略称「ACT for Ukraine」)のロゴマーク
  • 「ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム」のロゴマーク
「ウクライナ汚職対策タスクフォース」第1回会合(会期:2023年12月5日、6日)の様子

法務省では、法の支配や基本的人権の尊重といった価値を国際社会に推進する政策である司法外交の一環として、2023年7月6日及び7日、ASEAN・G7各国の法務・司法大臣等を招へいし、「司法外交閣僚フォーラム」として、「日ASEAN特別法務大臣会合」、「G7司法大臣会合」及び「ASEAN・G7法務大臣特別対話」の三つの閣僚級の会合を東京で開催した。同フォーラムのフォローアップの取組を紹介する。

ウクライナ汚職対策タスクフォース

G7司法大臣会合では、日本国政府の提案により、G7の賛同を得て「ウクライナ汚職対策タスクフォース」の創設が決定された。

汚職対策は、ウクライナにとって、復興資源の公正・公平な活用とより良い国づくりに貢献するだけでなく、EUへの加盟に向けて極めて重要な課題であり、ウクライナにとってはもちろんのこと、日本を始めとするG7にとっても重要関心事項である。

本タスクフォースは、日本国政府が事務局として旗を振り、G7及び国際機関の専門家の豊富な知見を結集してウクライナの復興を支援する。

そこで、法務省は、2023年12月5日及び6日に、東京において「ウクライナ汚職対策タスクフォース」(Anti-Corruption Task Force for Ukraine、略してACT for Ukraine)の第1回会合を開催した。

同会合には、ウクライナの汚職対策に関係する五つの政府機関(司法省、検事総長府、汚職捜査機関、汚職訴追機関、汚職高等裁判所)から5名の専門家が来日して参加したほか、G7各国の司法省関係者や国連開発計画(UNDP)の汚職対策専門家等が多数参加(オンライン参加を含む)した。

小泉龍司(こいずみ・りゅうじ)法務大臣によるビデオメッセージの様子(2023年12月5日ウクライナ汚職対策タスクフォース第一回会合)

また、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)や、法務総合研究所国際協力部(ICD)及び国際協力機構(JICA)から、長年にわたり培ってきた汚職対策支援や法制度整備支援の知見を有する専門家が参加した。

第1回会合では、本タスクフォースの今後の活動方針を確認するとともに、ウクライナ社会における汚職の現状と課題を把握することを目的とした議論が行われた。ウクライナからは汚職対策の現状や支援の要望が示されたほか、各国・機関による汚職対策の取組や支援状況等について認識を共有した。

ウクライナの汚職対策機関の専門家による門山宏哲(かどやま・ひろあき)法務副大臣訪問の様子(右から三番目が門山副大臣。2023年12月6日)

今後、法務省は、ウクライナの汚職対策支援をより具体化するために、今年(2024年)3月5日に第2回会合を開催した。また、11月頃に第3回会合を開催する予定。引き続き、日本国政府は国際社会にプレゼンスを発揮して会合を主導し、効果的なウクライナ汚職対策支援に取り組む。

ウクライナ汚職対策タスクフォース(Anti-Corruption Task Force for Ukraine 。略称「ACT for Ukraine」)のロゴマーク

ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム

アジア唯一のG7メンバーである日本のイニシアチブにより、法務・司法分野のASEANとG7の閣僚級が一堂に会する史上初の会合となったASEAN・G7法務大臣特別対話では、ASEANとG7が相互理解を深めていくために対話を長期的に継続していくことを確認し、日本国政府の提案により、「ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム」を創設することが決定した。

同フォーラムは、ASEANとG7各国の法務省等の若手職員が、国境やそれぞれの文化、専門性の違いを超えて、法務・司法分野における共通の課題等について議論し、日本国政府の法務関連施設を見学したりすることで、将来のASEANとG7の各国間の長期的な相互理解の促進・信頼の醸成を目指す。また、同フォーラムの卒業生(Alumni、アルムナイ)によるネットワークを構築し、ASEANとG7の間で世代を超えた人脈形成を推進する。

第1回フォーラムは、今年7月に東京において対面で開催予定である。

「ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム」のロゴマーク