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March 2024

東京のシンボルとなった「レインボーブリッジ」

  • 上空から見たレインボーブリッジ
    Photo: 首都高速道路株式会社
  • 芝浦側(都心側)がループした特徴的なデザイン
    Photo: 東京都港湾局
  • 東京の都心部が一望できるレインボーブリッジ。中央左の塔は東京タワー。
    Photo: 首都高速道路株式会社
  • 大型客船が通行するために幅が考慮された設計
    Photo: 東京都港湾局
  • ライトアップされたレインボーブリッジ
    Photo: 首都高速道路株式会社
  • レインボーブリッジから楽しめる東京の夜景
上空から見たレインボーブリッジ Photo: 首都高速道路株式会社

東京臨海部の副都心部*と都心を結ぶ複合交通施設として、1993年に開通し、2023年に開通30周年を迎えたレインボーブリッジを紹介する。

東京都心と臨海副都心をつなぐ吊橋で、東京のシンボル的存在となっているレインボーブリッジ。東京都港湾局の担当者に、橋の成り立ちについて聴いた。

レインボーブリッジ周辺地図

「レインボーブリッジは、臨海副都心と都心を結ぶ東京港の新しいシンボルとして、東京都と首都高速道路公団(現首都高速道路(株))が共同事業者となり、1987年1月に着工し、1993年8月26日に開通しました。名称は公募により、未来への虹の架け橋としての期待を込めて、「レインボーブリッジ」と命名され、東京の臨海開発にとって欠かすことのできない交通、物流機能の円滑化を担う中心的役割を果たしています」

東京の都心部が一望できるレインボーブリッジ。中央左の塔は東京タワー。 Photo: 首都高速道路株式会社

全長798mのレインボーブリッジは上層が首都高速、下層は一般道・遊歩道と新交通ゆりかもめ**が走る二重構造になっている。

芝浦側(都心側)がループした特徴的なデザイン Photo: 東京都港湾局

「橋の建設予定地は大型の客船等が往来する東京港の水域をまたぐため、航路の幅を確保するため吊橋が採用されました。また東京国際空港(通称:羽田空港)の滑走路に離着陸する航空機の安全のため、主塔の高度制限(構造物の建築先端の高さ制限)もありました。海と空の玄関口だからこそ、厳しい規制をクリアする構造が求められました。また、芝浦側の取付部は、周辺の土地利用状況と縦断勾配制約の条件によって取付道路の延長を確保しなければならないため、円を描くループ橋の形状となっています」

大型客船が通行するために幅が考慮された設計 Photo: 東京都港湾局

レインボーブリッジといえば、カラフルなライトアップの美しさも見所だ。首都高速道路株式会社経営企画部の飯島里奈(いいじま りな)さんにライトアップが始まったきっかけを伺った。

「レインボーブリッジのライトアップは、この地域が未来を志向する臨海副都心の「顔」となるために、「都市の美観の整備」「都市の安全性の確保」及び「生活の時間・空間の拡大」という観点から、十分な検討のもとに計画されました。2020年には投光器をLED化する更新工事を終え、既存デザインを変更することなく当時のデザインを再現し、消費電力を大幅に削減することができました。日没約30分後~24時に主塔・橋桁下の全面を照らし、アンカレッジ***の下部を明るく照らします。夏パターン(4月~10月)の涼しげな白色と、冬パターン(11月~3月)の温かみのある白色でライトアップされた主塔と、時間によって切り替わるケーブルイルミネーション(白・緑・コーラルピンク)のコントラストが東京港の夜を美しく彩ります」

ライトアップされたレインボーブリッジ Photo: 首都高速道路株式会社

主塔の華やかな光と全体を明るく照らす白色ライト、時間やイベントによって切り替わるケーブルイルミネーションの華やかなコントラストが、東京港の夜を美しく彩る様子をぜひ見てほしいという飯島さん。レインボーブリッジ下層にある遊歩道は1.7kmあり、通れる時間帯が現在は10時から18時までだ。東京タワーや東京スカイツリーを望むことができ、夕方はそのライトアップも楽しめる。4月からは、開場時間が9時から21時までと拡大される。レインボーブリッジから眺める都心や臨海地域のきらめく夜景をぜひ楽しんでいただきたい。 

レインボーブリッジから楽しめる東京の夜景

* 都心の機能を分散する役割を持ったエリア。 渋谷・新宿・池袋・臨海地区などを指す。
** 港区の新橋駅から江東区の豊洲駅までを結ぶ、自動案内軌条式旅客輸送システム路線。
*** 吊橋のケーブル端部を固定する目的で、橋梁の端部に設けられるコンクリートの大きなかたまり。